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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第50話:成功する経営者が敢えて持たないもの

 

成功する経営者はどんな能力や考え方を持っているのでしょうか。仕事柄よく聞かれる質問ですし、自分自身も長年考えてきた問いでもあります。

しかし、「その言葉が言っていることよりも、言ってないことを見よ」という哲学の命題に従うならば、成功する経営者が「持っていないもの」に目を向けるべきです。

それは何か。

これまで数々の経営者と関わらせていただいた中で私が感じる、彼らが持っていないもの。それは『固定点』です。固定点を持たないとは、ある一つの答えや考え方、価値観などにしばらないということ。相反する概念の間をも自由自在に行ったり来たりできるような、ある意味多重人格的な性質です。

そもそも私たちが生きているこの世界は、人がもつ際限なき「欲望」と、それを抑え込む「ルール」という、相反する概念のせめぎ合いで成り立っています。そのような世界で結果を出す人というのは、「欲望」が持つ力強さを認識しながらも、ルールを守り、ときにそれを利用し、そして結果を出して最終的にはルールを変える力をも手に入れます。これはビジネスの世界だけでなく、政治でもスポーツでも同じです。

儲かっている社長と一献傾けていると、「世の中に貢献したい」「もっとお客様のお役に立ちたい」ということを熱く語った次の瞬間には、「どうやったら客単価を上げられるか」「この新規事業は儲かるか」といった話も飛び出します。まさに論語と算盤、どちらも大事、当たり前でしょ?という世界。こういった、熱くもあり、かつカラッともしている人と話をするのは非常に気持ちいいです。

そして、一見相反する論語と算盤のそれぞれを際立たせ昇華させていくと、最後は高い抽象レベルでつながっていくものです。稲盛氏のフィロソフィー経営とアメーバ経営しかり、松下幸之助氏の水道哲学と全国の販売店整備しかりです。

そもそも、この世界に「固定点」と言うべき正しい答えなど存在しません。「正解」はその時々の文脈や立場、時代によっても異なりますし、もっと言うと、その「正解」は権力をもつ誰かによって捏造され、押しつけられたものです。

昔から、勝てば官軍と言いますが、「正義」とされていることも実はどちらか一方の立場から見たものということ。「常識」もそうです。何が常識かも国や時代によって大きく変わりますし、それも時の権力者がまさにルールによって押しつけているものです。

ビジネスにおける「業界の常識」もしかり。たまたま過去に売れた企業が自らのやり方や手法を「唯一の正解」として顧客に示しているだけのこと。それを御社も馬鹿正直に固定点化して捉えてしまっては業界のフォロワーと成り下がるだけです。

日本では家庭教育と義務教育を通して「みんなと同じであること」がいいことだと刷り込まれて育ちます。そして学校を卒業して社会に出たとたんに、「人と違うことが利益を生む」という資本主義の原理原則が突きつけられるのです。

他社と同じことを量をこなしてコストを下げて利益を出す。そんな戦い方ができる時代はとうの昔に終わっています。その考えから抜け出せない一部の大企業は数字をごまかし顧客をだます。もう論語も算盤もあったものではありません。

これからは小さくても個性際立つユニークな企業が輝く時代です。

誰かが捏造した固定点に捉われず、自分を薄め、世界を薄めて観る。競合やお客様が「目を向けていないこと」は何かと考え、業界の主流と逆の発想で攻める。小さくてもキラリと輝く自社独自の旗を掲げ、「この指とまれ」と世の中にその是非を問う。そんな姿勢にお客様は注目し、社員は胸躍り、そして新しい仲間も集まってきます。

血みどろの真っ赤な海で無益に傷つくのではなく、誰もいない妄想の青い海に人知れず漂うのでもなく、目の前に無限に広がる果てしない海原を御社独自の色で染めていきましょう。