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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第56話:業績を伸ばす社長がつい熱くなる話題とは

「結局、うまくいく会社というのは他と何が違うんですかね?」— 先日コンサルティングの初回を終えたクライアントの社長と一献傾けていたときに出た話題です。

 こちらは様々な企業を見てきたわけだから、業種や業態を超えたなにか普遍的な成功企業の特徴があるだろう…といったところでしょうか。

もちろんこれは様々な要素が絡み合いますので、まったく一概には言えませんが、コンサルティングをしていてガンガン伸びていく会社というのは確かにいくつかの明確な特徴があります。

例えば、経営陣とディスカッションをしているときに、どんな話題に熱が入るかとか。

多くの会社で話題に熱が入るのが、ある特定の社員についての話題です。特に問題となっている社員について。その社員の失敗とか、どうにも治らない性格についてなど。とにかくあいつがネックだと。

ここで、業務が仕組みでまわっている会社になると、話題のテーマは特定の社員ではなく、現状の仕事の進め方になります。あいつがあんなミスをするのは今の仕事の進め方に見直しが必要なんじゃないかと。つまり、話題の対象となっているのは「あいつ」という個人ではなく「仕事のやり方、進め方」という仕組みの方ということです。

あるいは、ある決まった仕事の仕組みがあるのにそれに沿って実行できていない社員がいる場合、どのように訓練すればその社員が仕組みを廻せるようになるのかと、「訓練・トレーニングのやり方」が話題の対象になっている。

つまり話題の対象となる主語の抽象度が一段上がっているということです。

ここまでは所詮自社の社内の話し。もう少し視野を広げると、やはり競合の話しにも熱が入ります。あの会社の今度の新商品にはやられた!とか。あそこの営業は最近こんな提案をしているらしいとか。

ミスミの三枝氏がよく言っていました。「業績の悪い会社ほど会話に競合の名前が出てこない」と。確かに資本主義社会に生きる我々は、何をどうキレイごとを言ったところで、「お金を儲ける」ということから目を背けることはできません。それは社員とその家族の人生を背負っている社長にとっては言わずもがなでしょう。しかし、その「儲け」の源泉となるのは「他社と差がある」ということ、これが資本主義社会の原理原則です。

そんな「差」をつける対象として競合の動きを理解していないとしたら、自分たちは「いいこと」をやっていたとしても、実はそれは他社も普通にやっているということになりかねません。そうなると買い手は明確な差を求めて価格で差をつけることを求めてくるわけです。

視点が高く視野が広い経営者との会話では、このように自社の業務の仕組みや競合との差別化といった話題に自然と熱が入ります。

しかしながら、ガンガン業績を伸ばす企業の経営者が会話に熱を込める話題というのは「自社」でも「競合」でもありません。

それは「業界」の話しです。

自分たちの業界、そして目の前の大勢の顧客が何で困っているか、どんなことに不便を感じているのか、もっとよくなるためには何が必要か。自社や他社に目を向けるのではなく、業界という構造に意識が向いている。

このような視点をもつ経営者の思考回路は、自分たちは何ができるか、何がしたいかといった自分起点の発想ではなく、市場・業界に対してやるべきことは何かということから発想するということです。

できるできないではなく、あくまでやることが前提。そしてそれを自分たちでやるためにはどうしたらいいかと思考を巡らせる。ここにあるのは経営者の「使命感」であり、そこからうまれる「覚悟」です。自社都合を捨て、文字通り「捨て身の覚悟」をもって市場に仕えるその姿勢が顧客の支持を集めます。

これは理想論のように聞こえるかもしれません。しかし、車の運転でドライバーが見ている方に車は進んでしまうように、自社の社内ばかり見ていると社内の問題は消えず、競合ばかり見えていると知らず知らずに自社も競合に似てしまう。

逆説的ですが、自社を際立たせたければ、自分を薄めて市場・業界に目を向けることです。一旦、自社都合を排除し、曇りなき目で市場と顧客に意識を向けたならば、「誰かがやるべきこと」が浮かび上がってきます。

それを「ウチがやる!」と社長が覚悟を決めたならば、そのあり方が御社を他の何者でもない唯一無二の存在に昇華させるのです。

覚悟を決めて奮い立つ社長の挑戦をこれからも応援していきます。