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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第80話:事業を伸ばす社長が持っている2つの行動規範

 

企業理念とは別に行動規範を定める会社があります。行動規範とは社員一人一人がどのような行動を取るべきかの判断となる考え方となります。

 

企業理念はその性質上どうしても抽象的な内容になりがちですが、行動規範は一段具体に落とした表現にしやすいですから、それを定めることによって社員の決断や行動の質を高めることにつながる可能性があります。

 

わざわざ「可能性がある」と言い方をしましたが、どんなにいい行動規範を定めたとしても、経営陣と社員が徹底してそれを日々の事業活動に落とし込む努力をしなければ、機能しないことは言うまでもありません。(これは行動規範に限らず、経営計画から社内規定まですべてのことに当てはまります。)

 

よく知られている行動規範としては、ディズニーの「4つの鍵」というものがあります。これは、Safety(安全)、Courtesy(礼儀正しさ)、Show(ショー)、Efficiency(効率)で、この並びがそのままキャストが行動する優先順位となっているとのこと。

 

マニュアルがないことで知られるディズニーランドですが、キャストの行動については、この4つの鍵に基づいた指導が徹底して行われています。

 

社員の行動の質や効率を高めていくためには、社員を「訓練」することは絶対に必要であり、そのためには、必ずしも「行動規範」という形ではなくとも、社員が常に拠り所とすることができる考え方を言語化しておく必要があります。

 

そうでなければ、社員への指導はその都度場当たり的なものになり、また、いつまで経っても社員が自分で考えて行動することができなくなってしまいます。

 

さて、そんな行動規範ですが、私が独立前に所属していたコンサルティングファームでは「思考と行動に関わる8つの質問」と題した行動規範が定められていました。その中でも特に最初の2つについては常に私の思考と行動の拠り所となっていますので、ここでご紹介したいと思います。

 

まず一つ目は、『心は自由であるか?

 

これは『思考は自由であるか』とも言い換えることができます。

 

当社のコンサルティングではクライアント企業の新しい看板サービスとなる「特注キラーサービス」を構築すべく、社長と幹部社員の方々とのブレストの機会を持ちますが、特に社員の方から以下のような反応が出ます。

 

「それはうちでは無理」

 「この業界ではそれはどこもやらない」

 「そんなニーズは聞いたことがない」

 …などなど。

 

これは自分でつくった思考の枠の中だけで考えているということ、つまり「心は自由でない」ということです。

 

アイデア出しなどの「思考の拡散」のフェーズの時点で、そのアイデアの実現可能性や実行リスクを考えていては、自分たちで(そして誰にでも)すぐにできそうなつまらないアイデアしか残りませんし、ニーズに関してもすでに顕在化したニーズばかり追いかけていても革新的な商品・サービスは絶対に生まれません。

 

そこを分けて考えられず、また事業を俯瞰して見れなかったり、どうしても「それをやる人(実行する人)」の視点でしか考えられなかったりするので、アイデア出しの時点から「それは無理」となってしまう。

 

そしてその「無理」というのも、自分の過去の経験など、すごく狭い範囲で参照して出した結論であり、自由な思考どころか思考停止に近いものです。

 

しかし、事業を伸ばす社長は事業を構想する際に無理かどうかなんて考えません。何をやったら競争に勝てるのか、あるいは何をやったら競争とは無縁の世界に行けるのか、そこの見極めに全力を注ぎます。できるかどうかなんて後で考えればいいし、実際やり方なんて腐るほどあるからです。

 

人は欲望に応じて事実を決める

 

これは哲学者ニーチェが唱えた「パースペクティブ」というものですが、人は自分が見たいように事実を捻じ曲げて解釈する生き物です。

 

しかし、経営者はその知らず知らずのうちに自分の中に設定された思考の枠を取っ払い、クリアな眼で世界(市場)を見ていかなければなりません。

 

これはもちろん我々コンサルタントにもいえることで、コンサルタントに思い込みや思考のバイアスがあってはクライアント企業の可能性を奪ってしまいますし、経営理論よりもマーケティングセオリーよりも現代哲学が一番コンサルティングの現場で役に立っているというのも、それがクリアな視点で世界を見ることの一助になっているからです。

 

経営者にしろコンサルタントにしろ、一つの業界で長くやっていると、その業界のやり方や考え方を所与と考えてしまい、それを突き放して見ることや疑うことができなくなってしまいます。

 

これは、長らくピンク色の色眼鏡をかけているのに、その眼鏡の存在を忘れ、世界がピンク色だと思い込むようなものです。競合と同じ色の眼鏡をかけたままでは、いつまでたっても同じ穴のムジナ。その状態で何か差別化を試みたとしても、不毛な価格競争から抜け出すことはできないということです。

 

よく「自由な社風」と言いますが、本当に自由であるべきは、社員の服装でもなく出社時間でもなく、社長の思考です。

 

自由な心、自由な思考で、経営の舵取りを進めていきましょう。

 

本日は社長のための「思考と行動の2つの質問」のまずは一つ目、「心は自由であるか?」をご紹介しました。2つ目は次回のコラムでお伝えします。