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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第9話:事業を成長させたければ、社員を育ててはいけない

「思い切って社員に任せてみたら、彼がいきなり大きなミスをしてしまって、もう腹が立つというか、がっかりというか…」――― 業績拡大にともない組織構築を進めておられる、とある製造会社の社長から出た言葉です。

商品企画から製造、販売まで、なんでもかんでも社長自身が手を下す状態から脱皮しようと、社員への権限移譲をすすめる中、任せた社員が失敗してしまい冒頭の発言が出たというわけです。

そんな社長に対して私は「腹を立てる対象が間違ってますね」とお答えしました。

 

社員のパフォーマンスに一喜一憂してはいけない

社長、特に創業社長はなんでも自分でできてしまい、全部社長自身がやった方が早いし確実だということになりがちです。しかし、社長がすべての実務に手を下していたのでは、言うまでもなく会社の成長は社長ができる範囲で頭打ちとなってしまいます。

会社が年商10億、20億の壁を越えて成長していくためには、社員に任せていかなくてはなりません。つまり社長が名プレーヤーから監督へと自身の役割をシフトしていく必要があるわけですが、その過程では期待に応えてくれない社員に対してのフラストレーションがたまるものです。

しかしながら、個々の社員のパフォーマンスに一喜一憂していては、会社の成長は望めません。目を向けるべき対象は、社員を動かす仕組みそのものです。

組織として結果が出せる仕組みが構築されているか、そしてそれがちゃんと回っているか。社長はここに注力し、必要に応じて手を下していかなければなりません。

仕組みができているとは以下のようなことを言います。

・社員が実力を発揮する環境が整っている

・事業のゴールと社員のやるべきことが言語化されている

・社員間・組織間のサポート体制ができている

・失敗から学び次に生かせるPDCAの仕組みがまわっている

・社員が成長したい、もっと頑張りたいと思えるような道筋が示されている

・社員が適材適所で配置されている

・結果を出した社員にちゃんと報いている…等

野球で例えるならば、エラーをした選手を叱りつけるのは対処療法にすぎません。本当にやるべきことは、バックホーム時にピッチャーがカバーに入るとか、内野フライの際に誰が取るかを声出しするといった、エラーを防ぐためのルール決めとそれを徹底するための練習プランを作成することなのです。

 

成長させるのは人ではなく仕組みそのもの

社員にミスが出たら、そのミスそのものではなく、ミスが出た根本原因を特定して仕組みを見直すというアプローチが大切です。仕組みに人を合わせるのではなく、社員のレベルに仕組みを合わせるアプローチとも言えます。

つまり成長させるべきは、人ではなく仕組みそのものであり、冒頭の社長の例で言うと、ミスした社員に腹を立てている暇があれば、チームを集めて現在の仕組みを見直す作業を実施すべきなのです。

経営幹部でしっかり仕組みをつくる。そして社員にその実践を徹底させる。まずはここまでがしっかりできていることが何より重要。

そして、その中で見えてきた優秀な社員には、その仕組みの実践をリードする役を与える。それができたら、今度は仕組みをつくることをやらせてみる。このように、仕組みを実践し進化させる中で人材を育てていくことが、会社を成長させるためには絶対に必要です。

いい人材を集めたところで、彼らが組織的に動けなければ結果は出ません。また野球の例で恐縮ですが、巨人が昔つくった、他球団から4番打者ばかり集めた「史上最強打線」のようなものです。

これはひどい例としても、人を育てることに熱心な経営者は注意が必要です。社員を自己啓発セミナーに行かせても、会社に強みは積み上がりませんし、人材育成が目的化してしまっているとも言えます。

我々のような外部機関を起用する場合も、人材育成を依頼するのではなく、現社員でまわる仕組みの構築を依頼すべきなのです。

 

育てるべきは、人ではなく、まずは仕組み。会社を成長させるための絶対条件です。