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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第13話: 社長がもつべき業務の「仕組み化」に対する心構え

「それはケースバイケースです。」「一概には言えません。」「いろいろです。」―――コンサルティングで業務プロセスの仕組み化をお手伝いしている際に、社員の方から頻繁に出た言葉です。

社員の方からしたら、毎度毎度難しい状況を頑張って対処しているわけで、それをパターン化・仕組み化すると言われたら「そんな単純じゃない」と言いたくなる気持ちもわかります。

しかし、「ケースバイケース」と言っていたら、いつまでたっても仕組み化なんてできません。毎回特定の人物によるその時々の判断となり、場当たり的な対応となってしまいます。

そう言うと「自分は場当たり的な対応などしていない。」との反論も聞こえてきそうですが、そもそも、どんな場合にはどう対処するということが言語化できないのですから、場当たり的な判断と言われても否定できない。

ケースバイケース…もちろんそうです。世の中にあるすべての物事や事象に何ひとつ同じものなんてありません。同じ商品を同じお客様に提供したとしとも、最初のケースと次のケースでは、お客様の状況も、世の中の情勢も、なにひとつ同じことはないのです。

しかし、抽象度を上げていけば必ず共通項は出てきます。もしくは共通項を自分たちでつくっていけばいいのです。今日食べた「りんご」と昨日食べた「りんご」は味も色も形も微妙に違います。世の中に同じ「りんご」は一つもありません。しかし、それらを「りんご」と呼ぶということに決めてあるわけです。

仕組み化とは、その都度、人の判断でやっていることを、事前に場合分け、パターン分けして、どう対処するかという判断をあらかじめ決めておき、それをルール化そして文書化しておくことです。

この世の中は法律で社会のルールが決められています。これがなければ、全ての行動はその都度何かによって裁かれなければなりません。そしてその判断基準もその都度人によってい違うということになれば、何が全で何が悪かまったくわからなくなり、怖くて何もできないということになってしまいます。

企業も同じです。こういう場合はこれをやる、もしくはやってはいけないということをあらかじめ決めておかないと、場当たり的で当てずっぽうの経営ということになってしまいます。

結局ケースバイケースと言っている人は抽象化に向き合っていないか、仕事のプロセスやノウハウといったものを自分に帰属させておきたい、つまり「自分にしかできない仕事」にしておきたいということです。

社長はそんな社員の自己重要感を断ち切り、個々のケースを抽象化して仕組み化し、「誰でも」できるようにしていかなければいけません。

冒頭の発言の後、ひとつの特別な事例をあげてパターン化できないと主張するその社員の方に対して、社長はすかさずおっしゃいました。
「それは一つの例でしょ。通常のケースはこう、イレギュラーとしてはこういうパターンがある、というように言語化してくれないと俺もわからないし下の人間もわからないよ。」

この社長はさすがです。なぜ仕組み化が必要かをすかさず言語化されて指示されました。

仕事が属人化していると、その人がいなければ仕事は回らなくなりますし、属人化しているものは他人からは手を出しにくく、意見も言いにくいので、その手法や進め方が改善されていきません。「あの人のやり方」がずっと残ってしまいます。

一方、業務が仕組み化されていると、誰にでもできるようになりますし、再現性が担保されます。また、人に張りついていないので現状否定しやすいし、修正・進化が容易となります。

また、業務を標準化して仕組みでまわしていると、イレギュラーなことが起こった時に当然ながら、「これはイレギュラーだ」と社員が認識できるようになります。そうなれば、どうすればこのイレギュラーな事象を事前に予防することができるか、という発想を持てるようになります。

さらには、「このイレギュラーが発生した原因や背景はなんだろう」と、俯瞰して考えることができ、これまで気づいていなかった顧客側の事情の変化や新たなビジネスの種に気づくということにもつながります。

つまり、業務を標準化・仕組み化で回している会社と、属人的・場当たり的に対応している会社とでは、差はどんどん開く一方ということです。

御社は業務の標準化・仕組み化をすすめて組織能力を進化させますか?
それとも業務を人に張りつけて人の成長に頼りますか?