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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第36話: 断捨離ブームに見る強みづくりの本質とは

年末にはどこも恒例の大掃除。昨今の断捨離ブームも相まって、大掃除の際には思い切って不要になったものを捨て、スッキリした気持ちで新年を迎えられた方も多いと思います。

なぜ今「断捨離」という言葉がもてはやされているのでしょうか?それは、ある意味まだ使えるものを捨てるという本来罪悪感を覚える行為を、「断捨離」というキャッチ―なフレーズにのせることによって正当化することができるからです。

特に我々日本人は「ものを大切にしなさい」と幼少期から教育されて育ちますから、ものを捨てるという行為には抵抗を持ってしまいますが、実際は断捨離という掛け声とともにいろんなものを捨ててみると非常にスッキリしてストレス発散になります。
捨てるとすっきりする。つまり快楽を得られるわけですが、それはなぜでしょうか。

フランスの思想家・バタイユは、人間は生を保存しようという衝動がある一方で、「死」とのかかわりを求める衝動をも持っている生き物だと唱えました。そして、この「死」を求めるところに「快楽」が生じると。

しかし死んでしまったら人生が終わってしまいますから、人は本能的に繰り返し味わえる「死の疑似体験」を求めます。この疑似体験をバタイユは「過剰なものを破壊し消費すること」と定義しています。つまり断捨離は死の快楽を求める人間の本能からくる欲求だということです。

どんなに文明が進んでも戦争や大量殺戮がなくならない理由もここにあります。
昨今流行りの不倫や性犯罪も同様。「一線は超えてない」という言葉が流行りましたが、一線を越える、つまり女性(=神聖なもの)を犯す(破壊する)という行為に死の疑似体験が含まれているということになります。

栗本慎一郎氏の言葉を借りれば、人間は「パンツを履いたサル」であり、パンツを脱ぐ快楽を得るために普段は我慢してパンツを履いているということです。

しかし、死の快楽と言われても私も含め実感がわかない方がほとんどではないかと思います。では「死」=「新たな生のはじまり」と捉えるといかがでしょうか。死によって人生がリセットされ、より良い「生」が生まれるとしたら、死への見方も変わってきます。

こう考えると、成長のためには自己否定が必要という考え方もより腑に落ちるはずです。本来苦しいはずの自己否定(=死)を乗り越えた先には自己変革(=新たな生)があると捉えると、その苦しさを乗り越える原動力が出てきます。

先日ご紹介したサッカーのロナウド選手しかり、シーズンオフの度にフォームを見直すイチロー選手しかり、長く君臨するトップアスリートは自分の強みを自ら捨て去る強さを持っていますし、その強さを持ち得ない者は短命で終わるしかないともいえます。

これはビジネスにおいても全く同様です。強い企業というのは自社の強みを自ら否定し、それを超越する新たな強みを生み出していきます。この、否定を乗り越えた超越(=アウフヘーベン)を自らやり切ることが、長く優位性を築くためには絶対に必要です。

例えるならば、強固な陸路配送ネットワークと良質なドライバーをもつヤマト運輸こそが他社に先駆けて無人ドローン配送を立ち上げるようなイメージ。

もちろん、陸路配送を今やめるべきということではありません。その絶対的な強みを固定化して絶対視せず、自分から突き放して俯瞰し、それを乗り越える強みをつくるということです。

これとは逆に外敵からの攻撃に屈して不採算事業を次々と切り離し、最後は何も切り離すものがなくなり身売りする(もしくは不正で時間をかせぐ)というのが日本の大企業のお決まりのパターンです。

いいも悪いも、日本人は歴史的に外圧からのプレッシャーによる危機感から行動を起こす民族ですが、いまのように変化のスピードが速い時代には外圧任せでは非常に危険です。

商品が強いからこそ新たなサービスを考える

リアル店舗で喜ばれているからこそネット通販の仕組みを整備する

価格競争力で勝っているからこそ超高額商品をつくってみる

人柄で勝負しているからこそ売れるビジネスモデルを築く

長年の信用で選ばれているからこそ思いっきり新しい試みでお客様を裏切ってみる…などなど

言うなれば、連続的な「生」を求めるからこそ、不連続な「死」を利用するということ。

自らアウフヘーベンし、自己超越した先の新たな未来を掴み取っていきましょう。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。