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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第37話: 社長が克服すべき、会社の成長を阻む本当の敵とは?

「まず構造(全体)があって、その中で個(部分)の世界が振り分けられる。」
常々お伝えしている現代哲学の世界観ですが、ビジネスで成功するためには、自分や自社(個)ではなく外の世界、つまり市場や競合(全体)の動態を捉え、その構造に合わせてうまく立ち回っていくことが必要です。

自社でやりたいこと、やれること、やれないことなどなど、いろいろと都合はあると思いますが、顧客も競合もそんな都合には合わせてくれません。

一方で、市場の動向に合わせていたのでは競合他社と同質化し埋もれるだけです。この資本主義社会は顧客の奪い合い、そしてお金の奪い合いですから、他社と同じことをしていては生き残ることはできません。

自社都合ありきではなく、市場の都合に合わせるのでもなく、マーケットという構造に切り込んでいってこそ、自社のあり方も際立つ。

特に今の時代のように多様化が進んだ社会においては際立ったUSP(独自の売り)を持つことは極めて重要です。

そのためには独自のポジションを築く戦略を立て、そして実際に行動していく必要があるわけですが、その実行を阻む大きな敵がいます。

その敵とは市場にいる競合他社ではありません。もっと強力でやっかいな敵は市場ではなく、社長の耳と耳の間、首から上、つまり社長の頭の中にあるということです。

会社をより良くするため、顧客により貢献するためにやるべきことはわかっていても、実際の行動を決断できない。

人間の脳は変化を嫌がりますから、新しいことをやるときに不安の信号を出してきます。これはある種人間の防衛本能なので仕方ないですが、問題はここからで、この不安を乗り越えて行動に踏み切るか、それとも本能の奴隷となってできない言い訳をならべるか、このどちらかに分かれていきます。

「不安だからやらない」を取るか、「不安だけどやる」を取るか。この違いは甚大です。

そもそも不安って何でしょうか?哲学者ハイデガーによると、「恐怖」には対象があるが「不安」には対象がない。そして対象がないからこそ私たちは不安になると。「不安は無をあらわにする」――― 対象がないのだから不安と向き合っても答えは出ないのです。

対象がない不安に振り回され、感情の奴隷になっても何もいいことはありません。対象がある「恐怖」は思考と行動で打ち消す。そして対象がない「不安」は無視でいいのです。

ところで世の中には思考と行動に向き合えない人をターゲットにした「弱者マーケティング」が存在します。宗教やスピリチュアル、そして自己啓発といった類です。

「あなたが成功できないのは信念が足りないからだ」的なものですね。

一見厳しいことを言っているようですが、信念があればいいというのは思考と行動から逃れたい弱者に非常に心地いいものです。

引き寄せの法則、運命論、潜在意識、マインドフルネス…

こういったものも同様です。

いま世の中に溢れている自己啓発はやたらと自分にフォーカスを当て、自分をよしよしし、自己重要感を上げることに専念させます。しかし、自分ばかり見ていると視点が下がり全体を俯瞰することはできませんし、大切な自分を傷つけたくないから行動にもブレーキがかかります。

逆に、「自分なんて大したことない」と自分を薄めていけば、「失敗してもまたやり直せばいい。どうにでもなる。」と、行動に対するハードルも薄れてくるはずですし、主観を排除して全体を客観視する視点も生まれます。

我の敵は我にあり。

自分にブレーキをかける自己など捨て去り、捨て身で行動した先の自己実現を目指していきましょう。