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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第38話: 商品で差別化できないこの時代にどう戦うか

ものづくりの会社であることをアピールする企業は日本にはまだまだ多いです。しかし、”モノ”、つまり商品そのものによる差別化の余地はいまやほとんどなくなってきています。

いまやモノが溢れひと通りのものはみんなすでに持っています。新しく必要なものなどほとんどありません。よほど目新しく高付加価値のものでないと売れない、そしてそういった商品もすぐにすたれる時代です。

付加価値の低い製品であれば価格と品質の勝負になりますが、いまや製造ラインの自動化が進み、ハードとしての商品のコストや品質での差別化の余地はほとんどなくなってきています。かつては中国製=粗悪品でしたが、その中国も人件費の高騰で自動化が進み、グローバルに供給するような企業はどこも一定の品質はクリアしています。

かつて日本が世界に君臨した電機・自動車業界もいまや完全にソフトウェアの戦いに移行しています。例えばスマホはiphoneの方がバッテリーの持ちがいいと言われていますが、これはハードの性能ではなくOSの違いによるものです。また自動車も「走るネットワーク家電」化しつつあり、自動車メーカーの戦いではなく、誰が自動運転のプラットフォームを握るかという戦いになってきています。ボッシュらメガサプライヤーとグーグル・アップル・アマゾンらの競争や協業に自動車メーカーもついていっているという、昔とは全く違う業界構造に変化しています。

一方でこういったソフトウェアやプラットフォームシステムの開発競争となると規模的にとても中小企業の手に負えないというのが現実であり、中小零細は別の戦い方に切り替えていく必要があります。

これは製造業に限った話ではありません。商社や卸売業もまったく同様で、単に商品を流通させるだけでは付加価値は取れないことは言うまでもないですが、アマゾンのようなネット販社の取扱商品拡大により、商社や問屋の重要機能であった品ぞろえの豊富さや在庫からの即納体制といったことの価値も脅かされています。

どのような業種であれ、商品そのものの価値で差別化する発想を捨てていかないと苦しくなるばかりです。

では何で勝負すれはいいのか?

これはもう商品の提供の仕方か売り方での差別化しかありません。

提供の仕方というのは短納期や小ロット対応などのデリバリーの方法だけに限らず、商品の価値に加えプラスアルファのサービスを提供するということです。長年その商品を扱う中でその商品や業界に関連する無形のノウハウを蓄積しているはずですから、そういった無形の価値を商品化するイメージです。

これは商品提供と同時である必要はなく、商品が必要となるずっと前、もしくは提供後のアフターフォロー的な関わり方もあり、ビジネスの機会をぐっと広げることができます。

売り方の差別化でいうと、これもネットで売るなどの販売チャネルの話しだけではなく、商品に関連するストーリーを提供するといったアプローチもあります。例えば「やずや」のように商品の製法に関するストーリーで売る手法もあれば、「ジャパネットたかた」などで言うと、その商品を手にした家族の物語を語りなんてことはない商品を売りまくっており、商品の価値に頼らない好例です。

いくらこういった例を数多く知ったとしても、自社の業態や今までのやり方を変えることに躊躇する経営者がやはり多いです。それは「当社はものづくりの会社です!」のセリフが示すとおり、自分たちのやっていることを狭い枠で捉えてしまい、これまでのマインドの枠の外に出ることができないからです。

この世界に絶対的なもの、固定的なものなどありません。自社のあり方も固定的ではありえず、時代の変転に合わせて柔軟に会社をつくり変えていく必要があります。日本が誇るものづくり企業の代表格であるトヨタでさえ、いま生き残りをかけて新しい価値創造に取り組んでいます。

これだけモノにあふれていても、満たされていない顧客ニーズはまだまだあります。これまでの「自分たちは何屋」という定義を脱構築し、オープンマインドで新たなビジネスチャンスを見いだしていきましょう。