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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第72話:社員を動かすために社長が見せるべきもの

 

やれ経営戦略だ!やれ商品開発だ!マーケティングだ!などと経営者が唱えたところで、肝心の社員が動かなければ事業は進みません。

 

「戦略は組織に従う」 ― どんなに戦略を練って勝てるシナリオを描いたとしても、それを実際に社員が実行できなければ絵に描いた餅で終わってしまいます。

 

経営とは「人を通じて事を成すこと」という言葉もある通り、社長は幹部、そしてその下の社員を束ね、彼らを同じ方向に向かせ、そして彼らが全力で動けるよう導いていく必要があるわけです。

 

そんなことはわかっている!との声が聞こえてきそうですが、実際はやはり「どうやって社員を動かすか?」ということにお悩みの経営者はとても多く、現にそのテーマの書籍はずっと出続けていますし、私のコラムでもそっち系のタイトルをつけた記事がやはりよく読まれたりしています。

 

確かに組織を束ね社員を動かすための方法論は存在しますし、当社のコンサルティングでもその要素はしっかり盛り込んでいます。

 

しかし、です。いくら「人が動くための仕組み」を入れ込んだところで、これがないとどうしようもない、社員も動きようがない、というものがあります。

 

それは、社長の覚悟です。

 

経営が「人を通して事を成す」ことだとすれば、その「事」を何が何でも成し遂げるという覚悟です。

 

社長が絶対にそれを実現するという覚悟を持っていれば、社長が放つ「温度」が上がります。そして社長の目には「力」が宿ります。

 

その社長の温度が、氷のように冷たく固まった社員の心を溶かし、そしてその目の力が、ふわふわと当てもなく漂っていた社員を心を射抜き、「ならば自分も」と彼らの覚悟をうながすのです。

 

では社長がその覚悟を強くし、自身の温度を上げ、目の力を強くするためにはどうすればいいのか?

 

当然ですが、「熱さですね」といってやたら暑苦しく語ったり、「目力ですね」といってギロっと社員を睨みつけることではありません。

 

大事なことは2つあります。まずは「人を通じて事を成す」でいうところの「事」、つまり何を成し遂げたいかということを明確にすることです。言い換えれば、皆で到達したい「ゴール」を言語化するということです。

 

これが見えていないということは、リードするはずの社長自身がどこへ向かったらいいのかわかっていないということになります。そうなると社長の心の中に迷いが生じます。この迷いが社員を冷めさせることになります。

 

行き先が定まっていないまま海原に出航することほど怖いことはありません。オールを漕げと社員を激しても、どこに向かうのかわからないのでは船はぐるぐる回ってしまいます。そうなると乗組員は「引き返す」ことばかり考えてしまうのは当然のことです。

 

船頭たる社長がまずは行き先をしっかり見定め、その景色を社員にしっかり伝えることです。「そこに行きたい」とか、「行けたらいいな」ではなく、「行く」と決めて皆に宣言する。もう行くことは決まった、あとは行動するだけだということを伝えるのです。この迷いのなさが彼らの背中を押します。

 

そしてもう一つ大切なことは、常にそのゴールから現在地を見るということです。

 

視点を現在地にフォーカスしすぎると足元の問題ばかりが目につきます。そうなると、それらの問題を一個一個、できるところから解決しようとしたくなるものですが、それではいつまでたっても目指すゴールには到達できません。

 

そうではなく、社長はそのゴールから逆算して現在地を見ることが必要です。そのゴールに到達している状態では事業はどうなっているか、自社の状態はどのようなものか、どのような顧客がどれだけいて、自社の組織はどうなっていて、社員の能力レベルはいかほどで…。この「あるべき姿」と現在地のギャップを明確にし、そのギャップを埋める手段を考え実行していくのです。

 

足元はデコボコの地面に見えても、目指す山頂に登ってそこから麓を見ればその麓の地面のデコボコは気にならないものです。つまり社長は麓ばかり見ずに山頂から皆を呼び寄せる。意識を山頂と麓の間を行ったり来たりさせ、その道のりを明確にし、社員を山頂へ引率していくのです。

 

この「山頂までの道のり」、つまりゴールを達成するための手段(打ち手)が明確になると、社長は「イケる!」という確信を持つことができます。迷いがなくなり、早くそこへ行きたくなります。その確信が「熱」となり「目力」となるのです。

 

要は社長の意識がどこにあるかです。社長の意識が山頂にあれば社員もそこを見ます。そして山頂に登頂するための道のりに意識が向きます。社長の意識が麓にあれば、社員も麓ばかり見て、足元の草むしりなどを始めてしまいます。

 

ゴールとそれを達成するための手段、それらが明確になっており、社長がそれに確信を持てているのであれば、あとは社員を鼓舞すればいいだけです。一緒に行こうと背中を押してあげればいいのです。その鼓舞に呼応しない社員はおそらく御社には合っていないということです。

 

目指すべき山頂とそこに行きつくための道のりを明確にし、迷いを確信に変え、社員を導いていきましょう。