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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第83話:なぜ社長が想いを語っても社員は動かないのか

 

「どうすれば社員は本気になるんでしょうか?」— そんな経営者の質問に対して、あるコンサルタントが回答しているのを聞いたことがあります。

 彼曰く「社長の想いを社員に伝えることです」と。

 しかし、社長の想いをいくら語っても、社員からしたらどうでもいいと思われるのがオチです。

 なぜなら、多くの場合、社長の語るその想いというのは、「自社の売上を何億円台に乗せたい」とか、「新しい支店や店舗を出したい」とか、「新規市場に参入したい」とか、そういった類のものであり、多くの社員はそういった目標に関して、本音のところでは自分事と思っていないからです。

 これは想いというよりも経営目標のようなもの。これはこれで社長としては当然持って然るべきです。より多く稼ぐことは、この資本主義社会の下で力を持つことになりますし、納税し雇用を生み出すことで社会貢献になります。

 しかし、大方の社員はそういった目標レベルの話で心躍り、動きたくなる、ということはありません。社員にとってそれはあくまで社長の願望であり、自分には自分の願望があるという話です。

 では、高邁な理念を語れば社員は動くのでしょうか。

 多くの企業が理念として掲げているポジティブで抽象的な美辞麗句。その言葉を聞けば、社員の心に火がつき、自らを動かす原動力になるのでしょうか。

 これも答えは否で、社員からしたら「たしかにそうだね」「まあいいこと言ってるね」ぐらいなものではないでしょうか。

 さらに言えば、その理念を語っている社長自身がそれほどその理念に本気でないというのが本音で、自社を一端(いっぱし)の企業として格好つけるためにつくったというのが実際のところだったりします。

 そんな理念に社長も社員も本気になれないのはある意味当然で、「世の中をよくする」とか「業界に貢献する」といったポジティブな言葉を聞いたところで、人はただ「快楽」を得るだけで「痛み」を感じることがないからです。

 人は「痛みを避けて快楽を求める」という快楽原則に従って行動します。痛みを避ける力の方が圧倒的に強く、そしてそれは「今すぐやる」という原動力にもなります。一方で快楽を得たい欲求にそれほど緊急性は伴いません。いつかできればいい、ということになってしまいます。

 社員を今すぐ行動に掻き立てるには、この「痛み」の力を使うことです。とは言っても、社員に対して直接的な痛みを与えるわけではもちろんありません。ではどんな痛みか。

 それは、社長が感じる、世の中に対する痛みです。

 「この業界のここがおかしい」「顧客がこんなことで困っているのはおかしい」そういった、外に対する痛みです。

 この痛みが本物であれば、そこには使命感とともに怒りが生まれます。この怒りというのは熱量が高く、人を巻き込む力があります。

 例えるなら、元宮崎県知事の東国原氏が選挙にたったときのスローガンである「どげんかせんといかん」というやつです。社長自身の「どげんかせんといかん」を社員にぶつけることです。そして社員が同じように感じてくれたなら、彼らは社長の同志となります。また、たとえそれに共感できないとしても、そのこと自体が本人の痛みとなり、いずれにしても本人に変化が起こるはずです。

 そして、そのような社員を巻き込む外に向けた使命感を社長が持つためには、やはり社長自身が視点を上げていく必要があります。社内ばかり見ていては視点は下がる一方です。社員を動かそうと社内に意識を向けるとかえって社員が動かないという矛盾がここにあります。

 経営には「想い・知恵・熱」が必要です。どれか一つでも欠ければ、経営が長期的にうまくいくことはありません。

 そして、この3つを高めるものはやはり社長の視点です。視点が上がれば想いは深くなる。想いが深くなれば熱は高まる。そして視点が高ければ自然と知恵も生み出すことができます。

 コンサルタントの役割というのも、この「視点を上げる」ことのご支援だと当社では考えています。現に当社のコンサルティングを受けられ、普段よりも一段高い視点から自社の「どげんかせんといかん」を言語化され、そこから一気に事業変容を進められる企業が増えています。

 御社は目先の目標やふわっとした未来ばかりを語って、社員を不感症にしていませんか?

社員を奮い立たせる使命を与えられていますか?