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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第88話:続・経営者がセールス力を磨くべき3つの理由

 

経営者こそセールス力を磨くべき理由として、まず「セールスを理解していないと売れる商品がつくれない」ということを前々回のコラムでお伝えしました。

「いい商品≠売れる商品」 ここを理解していないと、せっせ、せっせといい商品をつくったが売れない、ということになってしまいます。

逆に「創って作って売る」という事業サイクルを「売れる筋書き」というひとつのストーリーで束ねることができれば、それぞれがバラバラになることなく、「売る」というひとつの目的達成のために機能することになります。

そして、経営者がセールス力を磨くべき2つ目の理由は「すべて顧客接点力が強化される」ということです。

経営者がセールスを理解し、その考え方を全社に落とし込むことで、営業だけでなく、受付、総務、受注対応、経理、物流などのすべての顧客接点がセールスに寄与することになります。

例えば、顧客にとってみれば、担当の営業マンは顧客のことをよく理解していてきちんと対応しているけれども、日々の受注業務を担当するカスタマーサービスの電話の対応はイマイチ、ということはよくある話です。

当の本人はきちんと対応しているつもりでも、顧客サイドからしてみれば、「事務的」「自社の都合を優先」「融通が利かない」といった対応に感じる、ということがよくあります。

こうなってしまうのはある意味当たり前で、結局営業マンしか「セールス」の考え方を持っていないため、他の部署の社員は顧客と接するときに「この接点を生かして売上につなげよう」という発想になっていないのです。

顧客からしてみれば、担当の営業マンの対応がいいのは当たり前の話。顧客はそこではなく、他の社員の対応でその会社の実力(実態)を判断したりするものです。カスタマーサービスだけでなく、その会社を訪問したときの社員の反応や雰囲気もそうですし、商品発送時のメールのやり取りや配達員の態度なども同様です。

経営者がこの点を理解し、すべての顧客接点を見直して顧客満足の向上につなげることができれば、リピート率の向上や単価上昇などの結果は自然についてきます。

 

そして、経営者がセールス力をつけるメリットの3つ目は、「社員が動くようになる」ということです。

セールス力があるということはどういうことかというと、端的に言えば「人を動かす言葉が紡げる」ということです。

その時点ではまだ御社の商品を欲しいと思っていない見込み客に対して、言葉で相手の価値観を変え、欲しいと思わせる。つまり、セールスというのは言葉で相手の価値観を変える行為ということになります。

この行為は何も販売の場面に限らず、自社の社員を動かすときにも必要ということです。

「社員に何度同じ指示をしても動かない」というのは、経営者が抱える悩みとしてよくあるものだと思いますが、これが起こる原因としては、結局経営者と社員では見えているものが違うからです。

つまり経営者と社員では価値観が違う。その価値観が違う相手を動かそうと思ったら、セールス力が必要になります。経営者にセールス力があれば、高圧的に指示を出して無理やり従わせるのではなく、逆に「頼むよー」とお願いをして動いてもらうのでもなく、言葉の力で社員を動かすことができるようになるのです。

これは、セールスの場面を考えてみると当たり前の話ですが、営業マンが見込み客に対して「これを買え!」と指示をする、あるいは「お願いですから買ってくださいよー」と頭を下げる、こんなことで買ってもらえるはずがありません。しかし、そういうことを経営者は社員に対してやっているということです。

これもよくあることですが、社長が「いいからやれ!」と強権発動をしている会社では、他の社員も部下に対して同じことをするものです。これが逆に、社長が言葉の力で相手を動かすことができれば、そのロジックや語り口を聞くことによって社員の言語化能力も磨かれていきます。社長のいいところを社員も真似するようになります。この差は非常に大きいです。

飴でもなく、鞭でもなく、言葉の力で部下を動かす。その力を経営者が身につけていれば、その会社の事業活動が加速することは言うまでもないことです。

以上、3つの切り口で経営者がセールス力を磨くべき理由についてお伝えしました。ここまでお読みいただくとお分かりいただけると思いますが、経営者がセールス力をつけるべきというのは、トップセールスが重要といった話ではまったく別だということです。

社長は営業マンである必要はありません。しかし、社長は一流のセールスマンであるべき、というのが当社の持論です。セールスの考え方は事業活動の根幹であり、ありとあらゆる場面で必要になります。

ぜひここで「言葉で人を動かすセールス力」をあらためて見直していただき、それを「売れる経営」に活かしていただきたいと思います。