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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第94話:経営とは結局なにをすることか?

 

「経営って結局なにをすることなんですかね?」―――先日ある経営者と雑談をしているときに言われた言葉です。

「経営」という言葉の定義としてはいろんな言い方があると思います。「会社を継続成長させること」とも言えるし、「事業を通じて世の中の役にたつこと」とも言えるし、「人を通じて事を成すこと」という言い方もあります。

ではその定義の抽象度を一段下げて、いったい何をすることがその「経営」をすることになるのでしょうか。

ある人にとってそれは「商品をつくって売ること」を意味するでしょう。あるいは別の人にとってそれは「社員の尻を叩いて仕事をさせること」を意味し、他の人々にとっては「会社がつぶれないように資金を回すこと」を意味するかもしれません。

しかし、ある2つのことができていなければ、商品をつくっても売れず、また社員がいくら頑張って仕事をしても報われない、そして資金もやがて枯渇するということになってしまいます。

ではそのような、経営の要諦ともいえる2つのこととは何か。

まず一つは「その会社独自の強みをつくること」です。

これはマーケティング的に言うとUSP(独自のウリ)をもつこととなりますが、なぜこれが必要か。それは他社と同じことをやっても儲からない、つまり企業が存続する源泉である「利益」が生まれないからです。

これは当コラムでも繰り返しお伝えしていますが、ビジネスの本質は「差別化をすること」です。いいことをやること、つまりいい商品やサービスを提供することに価値があるのではなく、他社と違うことをすることに価値があります。

ここを勘違いすると、社内の「カイゼン」ばかりに意識が向かうことになります。しかし、自社がやっていること、つまり事業コンセプトが他者と同じであれば、いくら品質を上げても、いくらコストを下げても、結局は他社にすぐ追いつかれてしまい苦しくなります。

お金は社内ではなく、社外に落ちています。つまり、世の中からお金を引っ張るためのコンセプトが何より大事ということです。

この点をお話しすると、差別化が大事なのはわかっているから、新商品開発や商品リニューアルを考えているんだと言われることがあります。

しかしながら、従来の延長線上で新しい商品を考えたところで、新しくなったと思っているのは自分たちだけで、顧客にとってみれば前と変わらないということは非常に多いです。例えば和菓子屋さんが「つぎの団子はどんな味や色にしようか」と考えるようなもので、「団子をつくって売る」という発想から出られない。

マーケティングの発想でネーミングや見せ方を変えたり、技術屋の発想で商品の機能や品質を上げたりしても、出発点が同じであるために他社と同質化してしまう。同じ穴のムジナと思われてしまうということです。こうなると、結局業界の価格帯に引っ張られて儲からないということになります。

「大きな物語の時代」と言われた単一的なニーズが右肩上がりで成長していた時代には、他社と同様のことを「よりうまくやる」ことが経営の要諦でした。そして日本企業はこれが得意であり、自動車メーカーや家電メーカーが世界で躍進したわけです。

しかし、そのような右肩上がりが続く市場というのは幻想であり、レッドオーシャンでは生き残れない時代となりました。そして、さらに時代は進み、いまのようにこれだけニーズが多様化・細分化してくると、「ニッチを狙う」という発想自体がもはや当たり前であり、激戦市場としてのレッドオーシャンに対してニッチ市場であるブルーオーシャンという区分が実態に合わなくなっています。

今までのやり方でブルーオーシャン的なニッチ市場を探しても意味がなく、これからは自分だけが陸に上がるような、根本的に戦い方を変える発想を模索する必要があります。

この時代の変化に伴い、経営者の役割も大きく変わったということです。これまでは成長市場を選んで、そこで他社よりも「うまくやる」「ちゃんとやる」ことが経営の要諦だったわけですが、これからはみんなが目指すべき「有望市場」などなく、それぞれの市場でまったく異なる発想を出すものが生き残る時代です。

当社がクライアント企業を成長させる切り口として「特注対応」「特別対応」の立ち上げをご支援しているのもこのような発想からです。もはや他社がやっていない、あるいは顧客も期待していなかった「イレギュラー」なことをやっていかないと利益が取れないからです。

そして、そのような自社の「独自のウリ」を具現化するためには、もう一つの経営の要諦が非常に大事になってきますが、それについては次回のコラムでお伝えしたいと思います。

「小さな物語の時代」に生き残るために、エッジの効いた「イレギュラー」な企業を目指していきましょう。