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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第104話:社長が理解しておくべき「営業マンの本来の役割」

 

「営業の役割とは、自社商品を売ること…ではありません」 ― とクライアントの経営者にお伝えすると、たいていの場合は???と疑問の表情を浮かべられます。

あるいは、「たしかに他にもいろいろやることがありますよね。納期調整とかクレーム対応とか…」といった回答も多いですが、そういうことを言っているのでもありません。

正確にいうと「自社商品を売ってくること」は営業の役割として当たり前なのですが、その部分は営業マンの役割としては実は本質的な部分ではないのです。

なぜなら、セールスで肝心なことは過去のコラムでもお伝えしているように、セールストークをうまく話すことではなく、そのセールストークの背景にあるセールスストーリーをつくることにあるからです。

セールスストーリーとは「なぜそのトークを話すべきなのか」、あるいは「なぜそのトークが有効か」といった、いわばセールストークの解説となるものです。

「見込み客の多くは競合Aの商品を使っていて、そのメリットは〇〇と思っている。そこで、『〇〇という特徴は実はメリットではなく、目的によってはデメリットとなり得る』、ということを言えればインパクトが出せる。そこで…」

こういった、いわゆる「相手を落とすための作戦、筋書き」がセールスストーリーです。

そして、この「ストーリーづくり」は個々の営業マンに任せてしまっては駄目で、営業の責任者も含めた経営陣が「経営マター」として考えなければなりません。

ですから、セールスの良し悪しはこのストーリーづくりにかかっているわけです。営業マンのセールスというのは、いわばこのストーリーに基づいたセールストークを発表する「最終局面」であり、もともとのストーリーが有効でなければ、いくら彼らががんばってセールスをしても結果は出ないということになります。

これは言うなれば、いくらプレゼン当日の発表をいい感じでこなせたとしても、もともと用意していたプレゼン内容がしょぼかったら何の意味もないということと同じです。

では、「自社の商品を売ること」よりももっと大事な営業マンの役割とはなんなのか?

それは「諜報」です。

営業マンとは諜報員、つまりスパイとして客先に送り込む存在なのです。

なにを諜報するのか?

それは「顧客もまだ気づいていない、隠れたニーズや困りごと」です。

この「まだ気づいていない」という点がポイントです。すでに気づいている既知のニーズや困りごとを聞いてそれを解決する提案をしてもインパクトは弱いですし、おそらく競合もすぐに提案できるようなことだからです。

それが欲しいとはまだ気づいていない…

それが不便なことだとは気づいていない…

そういった、顧客にとって現状「当たり前」であることを崩すことができれば、インパクトは非常に大きく、かつライバル不在の「おいしい商売」となる可能性が高いです。

ではどうやってそんな、顧客もまだ気づいていないニーズや困りごとを発見できるのか?

それは「顧客のビジネスの現場をよく観察すること」です。現場を観察することで、顧客がどんな流れでビジネスをやっているのか、彼らのビジネスプロセスが詳細にわかってきます。

そして大事なことは、そのプロセスを知り尽くしたうえで、それを疑うことにあります。顧客の現状のビジネスプロセスが「ベスト」であるはずはありません。どんなビジネスにおいても「もっといいやり方」は常に生まれるものです。

それを顧客に先回りして見つけるのです。そしてそれが実現できるような商品やサービスを提案することができれば、価格競争など無縁の儲かる商売をすることができます。

ここで、一番大事なポイントは、いかにして営業マンにこのような意識を持たせるかです。

営業マンに「自社商品を売る」というタスクだけを与え、その結果によって彼らを評価していたのでは、当然ながら彼らも自社商品の売上にしか意識がいかなくなります。

もちろん、彼らが自社商品を売らなくてもいいということではありません。売上を上げることにはちゃんと向き合わせつつも、「それだけでは駄目だ」ということを経営陣が彼らに理解させる必要があるのです。

そしてそのためには、そもそも経営陣が「自社商品を売っているだけでは駄目」ということを腹落ちしていないといけません。

いまの時代、ただ商品を提供するだけではビジネスは成り立たないのです。

「モノ売りからコト売り」
 「所有から利用」

といった流れにも表れているように、もはや「いい商品」を提供してビジネスが成立する余地は非常に狭くなりつつあります。もう「モノ」は間に合っているのです。

日本を代表するものづくりの会社であるトヨタやパナソニックもその点に気づき、トヨタは「モビリティサービス業」への転換を、パナソニックは「くらしアップデート業」への転換を標榜しています。

単に商品を提供する会社から、顧客に新しいソリューションを提供する「サービス業」へと変わっていかないと企業は生き残っていけない時代です。

そしてそのためのヒントを営業マンの日々の「諜報活動」から仕入れるのです。彼らからの最前線の情報をもとに経営陣が新しいサービスについて仮説を立て、そして営業マンがそれを検証すべく顧客にぶつける。その循環を回す必要があります。

そしてその循環が機能するためには、そもそも経営陣がそういった「自社ビジネスの新しい切り口」を常に検討する「場」を設けている必要があります。そこに営業責任者も巻き込み、継続的な循環をつくっていくのです。その循環がきっちり回っていれば、御社が飛躍するビジネスの新しい切り口は必ず見つかります。

御社は営業マンを「諜報員」として最前線に送っていますか?
 単に「売り子」として使っていませんか?