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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第108話:なぜそのカイゼンや5Sは意味がないのか?

「いまコンサルの先生に来ていただいて、工場内のカイゼンには着手しているのですが……」― 当社が定期的に開催しているセミナーにお越しになった社長から、セミナー終了後にご相談を受けました。

カイゼンや5Sは外部の先生の指導もありうまく定着しそうではあるが、それだけやっていてもマズいのではないかと危機感を持たれたということで、うかない表情をされていました。

実は、当社にご相談に来られる経営者には、同様の疑問を持たれている方が多いです。中には「5Sは隅々まで徹底してやりきったし、工場内のムダはそぎ落とされたが、業績は一向によくならない」と頭を抱えてこられた方もいらっしゃいました。

もちろん、カイゼンや5Sに取り組むこと自体は悪いことではありません。しかしながら、製造業だから当然それらをやるべきだと経営者が考えているとしたら、それは少々短絡的です。

ここで考えるべき点は、「そのカイゼンや5Sの取り組みが、事業を成功させるための戦略的な打ち手となるのか?」ということになります。

はやい話が「それをやって勝てるか?」ということです。

これは簡単な話です。たとえばある人が会社を辞めて起業しようと計画しているとします。もしその方がこんなことを言っていたらどうでしょうか。

「起業で成功するために、いまマーケティングを学んでいます。コピーライティングも学んでいます。数字にも強くないといけないので、財務や簿記も勉強しています。もちろんそれだけではありません。人脈作りにも着手しています。それから、、、、」

もういいですよね。こんなことを言われても、「で、なにで起業するの?」と聞きたくなります。その起業のネタといいますか、事業内容そのものがまずければ、当然ながら起業準備としてなにを学ぼうともまったく意味がありません。

極端な話が、製造業だからカイゼンをやろう!というのは、本質的にはこれとかわらないということです。

カイゼンや5Sなどの活動は社内の効率化を狙ったものです。工場の仕事のやり方が非効率で残業が多いしミスも絶えない。だから効率化をしてコストを下げようというのが、こういった活動に着手する社長のよくある発想です。

しかしながら、そもそも「コストを下げる」ということが打ち手の最優先事項となっている時点で、その事業は「筋が悪い」と言わざるを得ません。ライバル会社と価格で競り合ったところで、結局はどちらも儲からなくなって終わるだけの話です。

さらに駄目なケースは、社長として事業を上向きにする戦略が立てられず、「とりあえず何かやらないといけない」ということで、どっかの先生を連れてきてカイゼンや5S活動を立ち上げるパターンです。

これなどは、典型的な「目的不在」です。そういうと「いや、目的はある。少なくとも工場の効率は良くなるのだから。」との言い分もでてきそうですが、こういった戦術レベルの部分最適化の発想では事業は決してうまくいきません。

詳しくはセミナーでお伝えしていますが、ビジネスモデルをつくる手順というものがあります。つよい事業をつくるためには、必ずその順番で考えないといけないということです。

その一番最初にくるのが「自社ならではの事業コンセプトを考える」ということです。マーケティング用語でいうと「USP(独自のウリ)」を明確にするということになります。

見込み客に他の会社ではなく御社から買いたいと思わせるには、御社ならではの「特別な提案」が必要ということです。それがなく、やっていることが基本的には他社と同じだということになれば、事業が徐々にジリ貧になっていくことは原理上当然といえます。

そして、その「御社ならではの特別な提案」を実現するために、カイゼンや5Sが必要になるのであれば、大いにやればいいのです。この場合はちゃんと目的と手段が一致しています。戦略になっています。

当社では常に「仕組み化」、つまりオペレーションを仕組みで回すことの重要性をお伝えしていますが、これも同じことで、ただ効率性をもとめて仕組み化に着手したのでは戦術レベルの話になります。そうではなく、他社もやっていないようなイレギュラーなサービス を仕組みで回すから戦略上の競争力が出るのです。

カイゼンだろうが、5Sだろうが、仕組み化だろうが、、、それが日常のオペレーションを効率化するというものなら、それは日常業務の範囲内です。工場長や部長に任せておけばいい話です。

社長が考えるべきことは、「何をすればうちは勝てるか」、ただそれだけです。大局観をもち、勝ち戦になるための作戦を考えるのです。戦術を考えるのはそれからです。

この順番は絶対です。戦略なき打ち手などやっても意味がないのです。社員が仕事をやった気になるだけです。それで戦に負けては元も子もありません。

社員の頑張りを勝ち戦につなげるためにも、社長は「御社ならではの勝てる事業コンセプト」の構築に知恵をしぼっていきましょう。