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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第110話:できる社長は社員のことなど考えない?

先日横浜で、実刑が確定している受刑者を収監しようとしたところ、刃物を振り回されたために取り逃したという事件がありました。

職員4名、警官2名の計6名の大人が出向いていって、何もできないまま相手に逃げられてしまったとのことですが、いったいなぜこんなことになるのでしょうか。

この6人が著しく無能だったのかというと、そうではないでしょう。これはひとえに「事前検討が不足していた」ことに起因します。

「相手は抵抗する可能性があるから、なるべく大勢で行こう。暴れるかもしれないから警官もいた方がいいだろう。それも一人では心もとないから二人来てもらおう…。」― おそらくこの程度の考えで出向いていったのではないでしょうか。

これではプロの仕事とは言えません。

あらゆる相手の出方を想定して、それぞれの場合にどのような人員が現地でどう振る舞うべきなのかを事前に検討していたならば、相手に車に乗って逃げられるなんてことは絶対に起こっていないはずです。(おそらく職員4名も必要なかったことでしょう)

相手が刃物を振りかざすというのはイレギュラーな出来事ではあったと思いますが、こういったイレギュラーなことを事前に検討して対策を決めておくことで、こちらはレギュラーな出来事として対処できるようになります。

外から見たらイレギュラー、中から見たらレギュラー」という状態にしておくということです。

これを当社ではよく消防署の例えでお伝えしています。火事というのは、火事が起こった現場の人たちにとっては非常にイレギュラーな出来事です。しかしながら、消防署の隊員たちは、事前に想定し何度も訓練したオペレーションを展開します。彼らにとって消火活動は想定内のレギュラーな活動ということです。

これは企業においてもまったく同じことです。

日常起こりうるさまざまな状況を事前に想定し、オペレーションフローをあらかじめ定めておくことによって、イレギュラーな事態を極力避けることができます。

これがまさに「業務の仕組み化」ということになります。そして、この仕組み化をさぼったままでいると、会社はずっと個人の能力に頼ることになります。

そして、いくら個々の社員の能力が優秀でも、彼らが仕組み化の発想や習慣を持っていなければ、冒頭の事件のようにまったく連係プレーが起きず、その実力を発揮できないということになってしまうわけです。

こういった仕組み化ができていない会社にはある特徴があります。それは、社長がつねに以下のように「社員の名前を主語にして考えている」ということです。

A君はなぜできるようにならないのか?
 B君はなぜミスが多いのか?
 C君はなぜ新規営業に着手しないのか?

このように、つねに個々の社員にフォーカスしてしまうのです。

これが、仕事を仕組みで考える社長であれば、以下のように考えることでしょう。

何がA君の成長を妨げているのか?
 何がB君にミスをさせているのか?それを取り除くにはどうしたらいいのか?
 営業マンがどんなに忙しくても新規営業に一定の時間を割けるような仕組みとはどのようなものか?

このように、フォーカスすべきは個々の社員ではなく、彼らを動かす仕組み、システムの方ということです。

このような話をすると、まれに「仕組み化をすると社員の個性がなくなる」といった的外れなことを言う経営者がいますが、そういうトップに限って個々の社員にああしろこうしろと場当たり的な指示や叱責を投げ続け、社員を疲弊させるのです。

社員は組織として成果を出すために会社に来ています。そして、彼らに成果を出させるのは経営者の采配がすべてです。

現代思想の考え方に「まず全体があって、そして部分(個)の世界が振り分けられる」というものがあります。

個々の社員の動きに着目して、彼らをいちいち褒めたり叱ったりしながら動かそうとするのは、まさに全体を見ずに部分にだけ手を打っているということになります。

部分より全体、戦術より戦略、つねに社員の動きをシステム的に考えるのが、社員に結果をださせる社長の発想です。

御社は、社員が最高のパフォーマンスを出すための仕組みをつくれていますか?
 バラバラに動いている彼らをバラバラに教育していませんか?

部分ではなく全体としての機能発揮を実現させていきましょう。