「特別ビジネス」の構築で利益3倍化を実現

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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第147話:「数」に頼れない時代の経営の考え方

 

「シャットイン経済」(家に閉じこもる経済)といった言葉も出てきているぐらい、いまや世界中の人々が外出できないという異常事態に陥っています。これが多くのビジネスに非常に大きなマイナス影響を与えています。

しかもこれは日本だと「5月6日までは自粛」みたいな言い方がされているものの、そんなものではおさまるはずがないことは誰もがわかっていることで、非常に残念ながら、今後廃業や倒産を余儀なくされるところが多数出てくることでしょう。

これまでの多くのビジネスが、当然ながら「人が動く」ことを前提に考えられてきました。その「動いている人」を少しでも自分のところに引き寄せようと、マーケティングや集客の施策をせっせとがんばってきたのです。

人が動くからこそ、モノやサービスの需要も生まれました。人が出かけて何かをするときに移動手段としての車や、なにかをするための道具が必要になったり、新しいファッションが欲しくなったり、外食をしたり、髪を切ったり…こういったことはすべて「人が動く」ことを前提とされてきたわけですね。

ですが、この「シャットイン経済」がその動きを封鎖してしまいました。とにかく動かないでなんとかしようという生活に移行しています。そして、人は習慣の生き物ですから、このいまの「異常事態」にもしばらくすると徐々に慣れてきて、これがある種「通常の状態」となる部分もでてくることと思います。

その結果として、人の購買行動もいままでと大きく変わることになります。そしてそれは政府による自粛勧告が終了してからも続いて行くことになるでしょうから、そのあたりの持続的な変化を経営者として掴んでおかないと、「いつ戻るんだろう…」と漠然といまの状況を眺めていたのでは命取りになりかねません。

もちろん、多くの企業がオンラインでの対応を取り入れたり、商品やサービスのデリバリーを実施したり、通販を始めたり…と、何かしらの対応を取り始めています。もちろんそれはいいことであり、やるべきでしょう。

しかしながら、経営者が理解しておくべき今後の大きな変化については、まだまだ本質的な理解がなされていないと感じます。

その変化とは、「数や量に頼る時代は終わった」ということです。

冒頭申し上げたように、これまでの多くのビジネスが「顧客数」や「出荷数」、「製造量」といった数や量に頼ったビジネスをやってきました。数を確保するためにマーケティングに精を出して集客を頑張り、多くの人に利用してもらうことで収益やキャッシュを確保してきたわけです。

数を確保しないと回らないビジネス設計ですから、基本的には薄利多売、忙しいのに儲からないと経営者は頭を抱え、社員は疲弊しているという企業も多かったはずです。

基本的には顧客に対して「売り切り」の対応で「広く浅く関わる」との姿勢となりますから、単発の(あるいは間隔の開いた)取引が多くなり、顧客の反応が鈍ると「(顧客)リストが死んだ」などと言って新しい顧客を探す…… このように顧客をひとつの集合体、群衆として捉える発想が普通にまかり通ってきました。

過去の大量生産・大量消費の時代にはこれでもOKだったわけですが、そのような「大きな物語の時代」の感覚でビジネスをやってきたところは、今回のコロナ騒動で人やモノの動きが止まったとたん苦しくなっています。顧客との関わりが「狭く浅く」なるからです。

グローバル化の時代と言われて久しいですが、今回の騒動で気づいたことは、世界はひとつでもなんでもなく、限りなく分断した世界だということです。国境などたった1日でシャットダウンでき、たちまち人やモノの交流が止まります。

国内でもそうです。これまでは地方から東京に足を運ぶ人が絶えませんでした。いまは「東京から来た」と言えばバイ菌扱いです。東京から人が離れています。東京一極集中の象徴的イベントである東京オリンピックも実質中止に追い込まれました。

断絶の時代が始まりました。地球はひとつの大きな球体ではなく、小さな球体の寄せ集めとなります。

まさに「小さな物語の時代」です。

このような時代に経営者が押さえておくべきビジネス上の変化があります。
それは、「横に広げるのではなく、縦に深める」ということです。

「縦に深める」というのは、目の前のひとりの顧客に対して深く関わっていく、ということです。言葉にすれば非常に単純なことですが、この本質を見落としている企業が多いのです。

単に顧客が期待している商品やサービスを提供するのではなく、いかにプラスアルファの付加価値をつけていけるかー この勝負となります。当社がずっとお伝えしている「特別対応」にどれだけ知恵を出せるかです。

昨今サブスクが広まっているのも、この流れがもう始まっていたからです。過去のコラムでもお伝えしていますが、サブスクとは単なる月額課金制度ではまったくありません。一社の顧客、ひとりの顧客と継続的につながり、深く関わっていくアプローチです。

いままで自社がやってきたことにプラスアルファの価値をつけるためには、「自分たちは何屋か」との定義を見直す必要があります。

髪を切るだけが散髪屋の仕事ではありません。

荷物を運ぶだけが物流会社の仕事ではありません。

届いた設計通りに加工するだけが加工屋の仕事ではありません。

料理をつくって提供するだけが料理店の仕事ではありません。

御社ならではの「プラスアルファ」は必ずつくれます。時代が大きく変わろうとしている今こそ、従来持っていた「自分たちの仕事」の定義を捨て去り、裸一貫、ゼロベースで自分たちができることを見直してみてください。同業他社のことなど気にする必要は全くありません。自由な発想をぜひ楽しんでください。

世の中を変えるのはコロナなんかではありません。私たちの手で世界を変えていきましょう。