「特別ビジネス」の構築で利益3倍化を実現

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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第203話:当社が応援したい社長はどんな人か?

 

「中川さんはいろんな社長とお付き合いされていますけど、好きな社長のタイプとかあるんですか?」── 最近当社のコンサルティングを開始された若手経営者にお酒の席でそう聞かれました。

女性の好きなタイプを聞かれることはあっても、好きな社長のタイプを聞かれたことは初めてでしたが(笑)、あらためて考えてみると確かに好きな社長のタイプというのはあるなあと思いお答えしたところ、「それ、わかります!」とハイテンションで乗ってこられました。

加えて嫌いな社長のタイプも聞かれましたが、こちらは秒速でお答えすることができました(笑)。

よく「仕事だからお客様を選べない」といった声を聞くことがありますが、仕事だからこそお相手はとことん選ぶ必要があります。自分が相手にすべきでない人や会社をお客様にしてしまうとお互い不幸な結果になりがちですので。

特に当社のようなコンサルティング業であれば、自分の考えと合わない経営者や、おそらく結果が出ない(出せない)経営者をクライアントにすることは命取りになりますので、僭越ながら当社ではしっかりお客様を選別させていただいております。

もちろん、選別といってもご依頼いただいた方をお断りしているわけではありません。私の本やセミナーで私の考えと当社の方針をしっかりお伝えしていますので、その内容にご賛同されない方はそもそも当社にはお越しにならない、ということです。

逆に言うと、本やセミナーで自分の考えを明確にせずに、「これをやれば儲かります」ということばかりお伝えすれば、「ただ儲けたい経営者」が来てしまうことになりかねません。

「儲かる特別ビジネス」と謳っておきながら恐縮ですが、ただただ「儲ける」ことを目的にしている人は皮肉なことに結果的には全然儲からない可能性が高くなります。これは、普段から業績のことばかり言っている経営者についても同じことが言えます。

「経営者が業績にこだわって何が悪いんだ!」とお叱りを受けそうですが、もちろんビジネスで業績にこだわることは悪いことでもなんでもなく、非常に重要なことです。ビジネスで結果にこだわらないというのは、陸上の短距離走でタイムを計らないぐらいおかしなことでしょう。

しかしです。ビジネスにおいて業績というのはあくまで結果でしかありません。そして結果というのは原因があってはじめて生まれます。それを「売上を何億にしたい」とか「年間いくら儲けたい」とばかり言っていても意味ないと私は考えています。

そもそも、社長が「年間10億」といったことを口癖のように唱えたところで、社員はまったく共感しませんし、そもそもピンと来ません。そんな無味乾燥な数字をいくら掲げても社員はイメージがわかないのです。

そういった、とにかく数字の話ばかりして中身の話が出てこない経営者が「私の嫌いなタイプ」となりますが、これは人間的に嫌いとかそういうことではありません。単に当社がお手伝いすることは難しいということです。

数字だけの話なら、少し経営管理を学んだ人ならだれにでもできます。そして、経営と経営管理というのは全く別のものです。経営管理のアプローチでもコストカットなどをして目の前の業績を良くすることはできますが、事業を伸ばすことはできません。

以上のような考えから、経営ではなく経営管理ばかり考えている社長からのご依頼がこないように、セミナーなどでお話をしたりこんなコラムを書いたりしている、というわけです。

では逆にどんな経営者が好みのタイプかというと、それは「夢を語る経営者」です。

夢という表現が大げさならば、「事業を通じて成し遂げたい想い」と言ってもいいでしょう。つまり「事業の目的」をしっかりお持ちの経営者ということになります。

「たくさん売って儲けたい!」ぐらいにしか思っていない経営者でしたら、せどりなんかをせっせとやっているその辺の若者と変わりません。「ユニークな事業づくりを通じて世の中を良くする」ことが当社の理念ですから、応援したい経営者は必然的にご自身の「想い」をお持ちの方になります。

そして、そういった強い想いをお持ちの経営者に共通するのは、皆さん「外を見ている」ということです。

外というのは社外です。つまり世の中、社会、業界において、なにか「これは放っておけない」とか「なんとかしたい」という想いをお持ちなのです。ひと昔前に流行った言葉で言うと「どげんかせんといかん」と思っている方です。そんな経営者にはぜひ頑張っていただきたいと思っています。

もちろん、ビジネスは想いだけで飯が食えるほど甘いものではありません。が、そのような「どうしても実現したい世界」とか「自分たちの手で解決したい問題」といった、いわば経営の原動力となるものがなき世界において、いかなる経営管理手法を用いたところでことが成されることはないだろうと思うわけです。