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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第213話:「忙しいのに儲からない」から脱出するための「ある習慣」

 

「え? ビットコインってもうそんな値段になってなってるの? 嘘でしょう?!」── 長年お付き合いのある社長が、先日昨今のビットコインの価格を聞いて驚かれました。

実はこの社長がビットコインの価格を聞いて驚かれたのは今回が最初ではありません。最初にビットコインをご紹介したのは数年前、まだ1ビットコインが30万円ぐらいのときでしたが、その後100万円を超えたとき、200万円を超えたとき、そして今回400万円を超えたときも同様に驚かれては、「俺も買うよ!」とおっしゃっていました。

ちなみのこの原稿を書いている今日の時点では700万円となっていますが、社長にお伝えしたらまた同じリアクションを取られることでしょう(笑)。

同じく投資の話でいうと、たとえばNISAなんかも周りの知人に聞いたらやっていない人も結構いますね。せっかく政府が何を思ったか投資利益を非課税にしてやろうと言っているわけですから、よほどの金持ちでない限りやらない理由はないのですが、「いつかやろうやろうと思って…」という方も多いです。

こういった先延ばしの思考は、やはり「よくわからないものに対する不安や不信感」からくるものでしょう。単に忙しいから後回しにしていたわけではなく、それについての知識がないために「ピンとこない」ということではないでしょうか。

しかし、こと金融投資に関しては、この先送り思考ほどもったいないものはありません。実は投資における大原則といいますか、成功の鍵と言える考え方があります。それは「すぐやる」ということです。

たとえばNISAについて言えば、つみたてNISAにしようか通常NISAにしようか…投資するのは米国株か全世界株か…あるいは債権か…と投資をする前に悩むのは無駄でしかありません。悩む暇があったらさっさと米国株の投資信託を買ってしまうことです。なぜなら投資というのは「時間がお金を生む」ものだからです。

もちろん、いきなりわけのわからない仮想通貨に大金を突っ込むようなことは絶対に避けるべきですが、まずは無難な線からさっさとやってみることで感覚が掴めますし、早く始めれば始めるほど複利の力が効いてきます。

さて、今日のコラムはめずらしく投資について書いていますが、なんでこんなことを書いているのかというと、この投資の大原則である「すぐやる」というのは、経営に関してもまったく同じことが言えるからです。

新規事業の立ち上げ、新商品・サービスの開発、新規顧客開拓、マーケティング施策の刷新、組織強化、マニュアルの整備などなど…やらないといけないことはわかっていても、目の前のことでバタバタが続いてなかなか着手できないとおっしゃる経営者の方は、当社にご相談に来られる方々の中にも多いのですが、私は「忙しいからこそいま着手すべきです」とお伝えしています。

なぜなら、「重要な案件は目の前のバタバタが落ち着いたらやる」という思考こそが問題だからです。

常に重要なことにちゃんと着手できていれば、そんな「目の前のバタバタ」と言われることはどんどん少なくなっていきます。

例えば「決算でバタバタ」という言葉は非常に頻繁に聞くものですが、なぜ経理スタッフではなく経営者や営業部までもが決算でバタバタするかというと、それは多くの場合は業績が悪いからでしょう。売上や利益が足りないから押し込み営業をしたり、経費の調整をしたりする必要が出てきます。

受注のピーク時に現場がバタバタして混乱するというのも、オペレーションを仕組みで廻っていないから起こることです。仕事が標準化・平準化されていないために、受注が増えると一部の人間に仕事の負荷が集中してしまいパンクしてしまいます。おそらく現場には「ムリ・ムダ・ムラ」が数多くあり、意味のないことで忙しくなっている可能性も大いにあります。

また、そもそも販売している商品やサービスの利益率が低いために、量でカバーしないといけないということで現場がキャパオーバーになっているということもあるでしょう。

いずれにしても、大事なことが先送りになっているから起こってしまう現象です。

これは、よく言われる『木こりの挿話』と同じです。

「この木を切り出して、かれこれもう五時間だ。くたくださ。大変な作業だよ」という木こりに対して、少し休んでそのノコギリの刃を研いだらどうだと勧めたところ、木こりは「刃を研いでいる暇なんてないさ。切るだけで精一杯だ」と強く言い返すという話です。
最初にやるべき大事なことを後回しにして目の前の作業に取り掛かっても、当たり前ですが効率はよくありません。その当たり前のことが企業の忙しい現場でも起こっているということです。

そして、その大事なことというのを一言でいうと、「独自の強い事業を仕組みで廻す」ということになります。

差別化された強い商品やサービスを持っていれば、販売(営業・マーケティング)は一気にラクになります。そして、一連のオペレーションを場当たり的な対応ではなく仕組みで回すことができれば、常に平常運転で現場は回っていきますし、収益性も確保されます。

これは木こりにとっての斧と同じで、最初から強い武器を持つということです。武器を持たずに社員の尻を叩いても一向に生産性は上がりません。

そして、そういった武器を磨くための打ち手については「すぐやる」ことが重要です。「武器を磨くこと」と「木を倒すこと」をしっかり切り分けて考え、自社の武器が弱いと思ったらすぐに取り掛かること、これが会社を強くするための絶対条件です。

御社では、錆びついた斧を社員に渡して「いいから木を切れ」とばかりに尻を叩いていませんか。本当に大事なことに常に取り組む体制はできていますか?

社員に強い武器を渡し、結果を出せる組織をつくっていきましょう。