「特別ビジネス」の構築で利益3倍化を実現

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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第244話:成長し続ける会社が必ず持っている「ある精神」

 

「うちはいま「第二創業」の時期を迎えている。それを肝に銘じて、みんなも他人事と思わず、自分で考えて動いてほしい」── Y社長は会議の冒頭で管理職全員にこう伝えました。

いまY社では「製造業」という枠組みを抜け出し、「コンテンツビジネス」あるいは「コンサルティングビジネス」に力を入れようとプロジェクトが進んでいます。

Y社長の強いリーダーシップで進めていますが、「自分一人で走ってはいけない」との思いから、あらためてリーダー社員に檄を飛ばされました。

この「第二創業」という言葉は、一般的には後継者が経営を引き継ぐ際に使われるものですが、ただ社長が変わっただけで従来の延長線上で事業を進めたとしたら、これは第二創業でもなんでもありません。ただの「トップ交代」です。

一方で、社長は交代しなくても「もう一回ゼロから会社を起こすつもりで事業に取り組む」のであればそれは間違いなく「第二創業」と言うことができます。

振り返ると、これまで関わらせていただいた経営者の中でも、常に事業を成長させ続けるような私の中での「名経営者」は、常にこの「第二創業」の精神を常に抱き続けていたように思います。

創業から数年が立ち、会社が安定してきたタイミングで一息つくのではなく、逆に「我が社はここからだ!」とばかりに次なる挑戦に挑んでいく── そんなベンチャースピリットを決まって彼らは持ち合わせていました。

ベンチャースピリットという言葉は巷でよく使われますが、これを持つ人というのは私の定義では以下の2つのことを実践している人を指します。

ひとつは、既存の枠組みや常識を抜け出し、独自性の高い商品・サービスを世に送り出すこと。そしてもうひとつは、自分で考えて素早く動くことです。

ひとつめの「独自性」というのはまさに当社が「事業の特別化」という手法でご支援している内容です。独自性を持たないベンチャーなど成功するはずがないというのは誰でも理解できると思いますが、では普通の企業は独自性を持たなくていいのかというと、そんなはずはありません。大企業だろうが中小だろうが独自性を打ち出していかないと生き残れないことは、経営者なら肌で感じているはずです。

そして、独自性と同様に重要なことが「スピード」です。成功している経営者で「遅い」人はいないというのが持論です。現に、名だたる経営者は決まってスピードの重要性を訴えています。

たとえば私が敬愛する日本電産の永守氏は著書の中でこのように述べています。

「最近わが社の傘下に入ったある会社と、日本電産の一番の違いはスピードです。その会社は、経営判断のスピード、そして決断してから実行するまでの時間がわが社の三倍ぐらいかかっていました。これ以外に、ほとんど問題点は見つかりません。高い技術力と優秀な人材、安定したマーケットも持っています。少し意識が低い社員、決断の遅い経営者がいただけで、赤字が百億円まで膨らんでしまったのです。いまの時代は、決断と実行のスピードの差が、そこまで会社の命運を左右します。…」

もちろん永守氏にとどまらず、たとえば柳井氏も『商売の基本は「スピード」と「実行』と言っていますし、楽天の三木谷氏の標語「スピード、スピード、スピード」というのも知られています。

このスピード感というのは、経営トップが意識的に創り出していく必要があります。経営者が社員のスピードに合わせていてはブレークスルーは起こりません。

具体的にどうしたらいいかというと、答えはシンプルです。早く行動する社員にどんどん仕事を任せるのです。早い人間を登用するのです。そうする以外、ベンチャースピリットを社内に植え付けることはできません。

成長する企業では、重要な仕事に必ず「締め切り」を設けます。そして前倒しで完遂した社員は褒め、締め切りを過ぎてもやらない社員はきっちり叱ります。スピードが重要ということをちゃんと態度と行動で示すのです。

慎重派の社員は「そんなにスピードを求めたら仕事の質が落ちる」と言い訳します。しかし、新しいことに挑戦する際に失敗はつきものです。同じ失敗するのならさっさと行動した方がいいのです。柳井氏の言葉を借りるなら「早く失敗して、早く考えて、早く修正しろ」ということです。

事業改革を起こすのに、社員全員が賛同して動いてくれるなんてことはありません。全員どころか8割が反対します。みんな変わりたくありません。

ところが2割の人間は動いてくれます。「考える前に動く」ー このような社員が少しはいるはずです。そんな2割の社員に火をつけることです。彼らを燃え上がらせるのです。それに感化されて後から燃えてくれる社員は必ず出てきます。こうしてベンチャースピリットは育っていきます。

御社にはベンチャーと呼べるような心意気とスピード感はありますか? ベンチャーどころかお役所のような状態になっていませんか?

スピード感を持って挑戦する企業を、当社はこれからも応援していきます!