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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第139話: 会社は社長の思った通りにしか成長しない

 

先日、時間つぶしに大型書店に立ち寄って、いろんなコーナーを徘徊していたのですが、ビジネス書のセクションに自己啓発や成功法則的な本が数多く陳列されており、「ん……」となんとも言えない気持ちで眺めていました。

ビジネスで成功する人というのは、そういった「成功本」的なものは読みません。成功するためにもっと大事なことに取り組んでいるからです。こういう本は「そうは言っても行動できない…」という行動弱者が何かをやった気になるためのものであり、もちろんそんなことでは結果が出ないからこそ、こういった本もずっと出続ける、ということになります。

たとえば、「思考は現実化する」的な、想像したり紙に書いたりしたらそれが叶うと訴える本は昔から出続けていますが、もしそれが本当なら、経営計画書をつくったことがある経営者は軒並み夢や目標が叶っているはずです。まともに経営をやっている人なら、そんな「ラクして稼げる」的なものを信じるはずもありません。

しかしながら、この「思考は現実化する」というのは企業経営においてあながち嘘ではないと当社では考えています。言いかえると「会社は社長が思ったとおりになる」と。

「そんなはずないでしょう。うちは全然思った通りに行ってないですよ…」と思われる社長も多いかもしれませんが、当社がこれまで多くの経営者の方々と関わらせていただいた経験上、この法則は間違っていないと断言できます。

「じゃあ年商100億行きたい!」と思ったら行けるのか!?と言われれば、「もちろん行けません」ということになります。これはどういうことかというと、「100億行きたい!」とか「10億行きたい!」と言っている人は、本心ではそうは思っていないからです。

本当に100億円を目指している人は「100億円行きたい!」とは言いません。これは、それこそ成功法則的な意味合いで言われている、『「行きたい!」ではなく「行く!」というべき』…といった言葉の使い方の話ではなく、本当に100億円を目指している人であれば、もっと具体的な思考が口から出てくるはずだからです。

たとえばこういうことです。

「100億円を目指すためには、現在の事業のカタチのままでは限界がある。新しい市場を狙うか、商品・サービスの新しい方向性を考える必要があるだろう」とか、

「年商10億円が見えてきたが、いまは社長中心に事業を回していて、組織の力が機能していない。もっと仕組みで廻せる体制を作っていこう」とか、

「いまの利益率でこのまま売上拡大を図っても忙しくなりすぎてパンクする。もっと粗利の取れる事業に変えていかなければ…」

といった具合です。

社長がこのように具体的に考えられているということは、出発点である「10億行きたい!」とか「100億を目指そう!」といったステージはすでに過ぎており、それを目指すことはもう社長の腹の中ではすでに決まっているはずです。つまり、「やりたい!」という感情ではなく、「やるためにはどうしたらいいか」という思考に移っているということです。

このように感情ではなく思考に向き合っている社長であれば、当然その目標数値としての10億円や100億円といった数字がなぜ必要かという、それを目指す理由や目的といった一番大事なところの言語化もできています。ですから、あとはそれをどうやって実現するかという「手段」の話に移れるのです。

もちろん、社長がしっかりそこまで思考できていたとしても、その数字が達成できるかどうかは確実ではありません。しかしながら、少なくとも社長がそのように思考していないと、その数字が達成されることは絶対にないということは言えます。つまり、「会社は社長の思った通りにしか成長しない」ということなのです。

いくら「10億円だ!」「100億円だ!」と目標数値を掲げても、社長がその数字を本気で目指し、その実現のための方策を現実的に考えていないのであれば、社員がそれを目指して動くはずもなく、実際はただの掛け声で終わります。

これはそういった目標数字に限ったことではありません。経営における決定事項のすべてにおいて同じことがいえます。

たとえば、「社員が仕事を組織力で廻せるよう、しっかり仕組みをつくりたい!」と社長が思ったとします。しかし、「つくりたい」と思っている段階では社員は信用しません。ましてや社長が「うちで果たしてできるかな?」と、「できるできない」のレベルで考えていたのでは絶対にうまくいきません。

なぜなら、「うちでできるかな?」というのは「うちではできない」と考えていることと等しいからです。そして、「できない理由」で頭の中が埋め尽くされることになります。

これは、ビジネスを戦(いくさ)に例えると明確です。軍の大将が「この戦、勝てるかなあ?」と思っていたのでは勝てるはずもありません。戦を始める以上、大将が勝つと決めているのは言わずもがなであり、「勝つためにはどうすればいいか」との思考以外入り込む余地はないのです。

「できるできない」が問題ではありませんし、そこに答えもありません。経営者が考えるべきことは、「自社は何を目指すべきか」という目的、そして「それを達成するためにはどうすればいいか」という手段です。その手段が見えなければ、どうぞ当社の門を叩いてください。目的を達成するための様々な手段をご提供できます。

大事なことは、自社がどのレベルを目指すかを社長が腹に決めることです。すべてはそこから始まります。