「特別ビジネス」の構築で利益3倍化を実現

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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第173話:社長が知っておくべき「社員の目を輝かせる仕掛け」

 

「中川さん、うちの社員たちの顔つきが変わってきましたねえ。最初はどうなることかと思っていましたが…」── 先日、クライアント先の社長と一献傾けていた際に出たお言葉です。

コンサルティングの初回、社長の号令の下に召集された社員の方々の表情が明るく晴れ晴れとしていることはめったにありません。彼らの心の中は、「社長がまたどこかから誰か連れてきたよ…」といった具合でしょう。

仕事が忙しいのにまたなにかの講習を聞かされる…そこには主体性はありません。あくまで社長の指示にしたがい、コンサルティングの場に出席しているだけのことです。

そしてさらに、当社のコンサルティングでは初回に自社の状況を振り返り、現状認識を整理する取り組みがあります。そこで自分たちの事業や組織の課題をあらためて突きつけられることになりますから、参加している社員の気持ちは明るくなるどころか逆に沈んでしまうこともしばしばです。

「キラーサービスをつくる!」「特別ビジネスで儲ける!」という前向きなテーマであるはずの当社のコンサルティングで、わざわざ現状を振り返って自分たちの課題を再認識してもらっているのには理由があります。

それは、「自分が痛みを感じるところから新たな行動が生まれる」からです。

「自分が痛みを感じる」とは、現在の会社や事業の問題点について「自分も悪かった」と思うことです。社員といってもコンサルティングに参加しているのは経営幹部の方々ですから、目の前の案件をこなすだけではなく、事業の強みづくりや仕組みづくりにもっと時間や労力を割く必要があったと認識してもらうわけです。

その認識が「痛み」となります。この痛みが新たな行動を生み出すために必要となります。なぜかというと、「自分たちはうまくやっている」「バタバタしながらも事業は順調だ」と思っているところに、わざわざ新しい事業の切り口や仕組みをつくろうという気にはならないからです。

人というのは快楽を追い求める生き物ですが、快楽を求める力よりも痛みを避ける力の方が大きいものです。もちろん権力を行使して外から無理やり痛みを与えて動かしても、社員は創造性や主体性を持ちません。あくまでも自分たちの内側から痛みに気づいてもらう必要があります。

「この現状をなんとかしないといけない…」そう思わせたらしめたもの。社員はなにか行動を起こしたくてうずうずしてきます。この状態なくして、いくら当社がキラーサービスを考えるための考え方やフレームワークをお伝えしても意味がありません。ただのお勉強となってしまいます。

冒頭のクライアント先の社員の皆さんも、はじめは戸惑いながらも、自分たちの現状についてしっかり振り返り、事業の問題点の「構造」をあぶり出されました。

「いままでみんな一所懸命仕事してきましたが、やっていることは『優秀な下請け』の域を出ていなかったのです」── 工場長がこう言われました。事業変革の準備が整った瞬間です。

ここからは、自分たちの新たな強みをつくっている段階に入ります。新たな強みといっても、実はすでにいろんな強みがその会社にはあります。しかし、それを当たり前と思っていたり、いまのカタチでしか使えないと思い込んでいたりと、非常にもったいないことになっているケースが多いものです。

その「自分たちがすでにもっている独自の強み」に社員が気づいたとき、そこに「希望」が見いだされます。痛みから逃れる出口です。その出口を抜けたいと思う気持ちが、アイデアを生み出す源泉となります。

そして、「これなら自分たちでもできる!」という新しい事業コンセプトに出会ったとき、その希望は「自信」に変わります。社員の顔に笑顔がこぼれます。「やりたい!」という気持ちが前に出てくるのです。

痛みから希望へ、そして希望から自信へ。このサイクルをくぐることで社員は成長します。事業が「自分事化」します。もはや外部のコンサルタントの存在など問題ではありません。

大事なことは、事業変革を起こす仕組みこそが、社員を笑顔にし、彼らを育てるということです。モチベーション研修といった類のもので、彼らを一時的に気持ちよくさせることとは訳が違います。忘年会や社員旅行も然り。ガス抜きは必要ですが、ガスを抜いて彼らが成長することはありません。

「会社を変えよう!」「新しいことに取り組もう!」「やる気をだそう!」… こんなかけ声で会社が変わるなら経営者は必要ありません。会社が成長する仕組みをいかに構築するか── ここにすべてがかかっています。

御社ではどうやって彼らの笑顔を引き出していますか?彼らは自信に満ちていますか?

当社は自分たちの可能性を追求する社長と社員の皆さんを、これからも全力で応援していきます。