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【経営革新コラム】 儲かるキラーサービスをつくる社長の視点 第192話:新入社員が夢を失くす会社の特徴

 

「コロナ禍で敢えて人材採用を強化しました!」― お仲間の社長が新卒社員との記念写真をSNSであげていました。10名もの初々しい若者が少し緊張した面持ちで社長の横に並んでいます。

ここの社長はとてもアグレッシブで挑戦者タイプ、かつ社員の方々も気持ちが若くて前向きな方々ばかりらしいので、ここに入った10名の若者たちもきっと刺激溢れる日々を過ごしていくのでしょう。

コロナ禍の影響が出るのはまだまだこれからです。先行き不透明な世の中ではありますが、この社長のように力強く世に打って出る社長は魅力的です。

「中小企業は社長が9割」― そんな本は出ていませんが、たとえ事業がこけても社長がしっかりしていたらなんとかなる。これまで数々の企業の経営に関わらせていただく経験から、本当にそう思います。

いま就職活動をしている学生たちはなかなか大変な状況にあると思いますが、ぜひあきらめずに「この社長の下で働きたい!」と思える会社を探していただきたいと思います。よき出会いがあることを祈念しております。

しかしです。たとえ社長がとてもしっかりしていて、非常にまともであっても、せっかく雇った社員が数か月とか1年といった単位で辞めてしまうというケースをよく耳にします。

あるいは辞めはしなくても、採用したときには社長が「いい人が採れたよー!中川さん。いやあ良かった!」なんて言っていた人材が、しばらくするとまったく精気がない低体温な社員になってしまっているケースもよくあります。

なぜ社長が元気でまともでも社員が駄目になってしまうのか…。

往々にしてその答えは「社長が全部やってしまっているから」となります。社長がすべて自分で考えて具体的な指示を社員に出してしまっているがゆえに、社員が「ただ言われたことをやるだけ」の状態になっている。

「ただやるだけ」ならいいですが、いくら社長が指示しても社員が動かないが故に、会社としてやるべき大事なことがいつまでたっても実行されない、という会社も多いことでしょう。

そんな「やらされ仕事を続けている社員」、あるいは「何もやらない社員」が新入社員の上司となります。意欲も能力もないベテラン社員が上に就くのですから、そりゃイキがいい新入社員が骨抜きになるのも時間の問題です。

また悪いことに、そういったベテラン社員は往々にして会社や社長の悪口を下に吹き込みます。若い社員はそれを鵜呑みにするか、それともそんな会社の悪口ばかり言っている上司に愛想を尽かすか…。

とにかく、いくら社長がまともでも、そのすぐ下の幹部社員を機能させなければ、いい人を入れても結局機能しなくなる可能性が高いということです。

とはいえ社長にも言い分はあるでしょう。「そんなこと言ったって、うちの幹部たちは自分で考えられないし、ほっといたら何もやらないんだから!」と。

これは「鶏が先か、卵が先か」といった話になりますが、そんな幹部社員が「考えられないから、考えさせない」のか、逆に彼らに「考えさせないから、考えられない」のか…。

いずれにしても、幹部社員として登用している以上は、彼らにしっかり戦略を考えさせる必要があります。

たとえば販売戦略を立てるのであれば、少なくとも以下のようなことを幹部社員には「自分で」考えさせるべきでしょう。

当社のどの商品・サービスの拡販に注力する?
 そのターゲットは誰?
 彼らにアピールするポイントは何?
 どうやって彼らにアプローチする?
 彼らのニーズや困りごとは何?
 彼らの「買わない理由」は何? どうやってそれに反論する?
 競合は誰で、彼らの強み弱みは?…

そして、その幹部がこういった基本的なことを考えられないのであれば、社長は答えを教えるのではなく考え方を教えます。答えを出すのはあくまで彼らです。そうやって彼らを「健全に」追い込み、彼に事業を「自分事」と思わせることでしか社員の成長はありません。

「いや、本当にうちの幹部はそういうことは無理なんですよ」と訴えかけるように私におっしゃった社長も過去に複数いらっしゃいます。

ではなぜそんな人材に役員をさせているのかというと、「年が上だから」とか、「私が社長になる前からいた」と言った回答が…。

そんな理由で役員や幹部となっている人間の下で働く若者に対しては同情しかありませんが、将来伸びる見込みのある人材を選抜して、彼らをしっかり鍛え育てるのは社長の重要な責務です。

「若者を抜擢したら組織のバランスが崩れる…」― そう言われる社長もいらっしゃいますが、組織全体が低位にバランスしてどんな意味があるのでしょうか。意欲に満ちた若者が辞めたくなるような組織に未来はありません。

私が過去所属したミスミという会社では「スモールイズビューティフル」という標語のもと、数名の小さなビジネスユニット単位でリーダーを任命して、そのリーダーがガンガン戦略を廻していました。年齢も何も関係ありません。能力と意欲の高い人間にチャンスが与えられていました。私も本当に鍛えていただきました。

当社では「3倍儲かる特別ビジネス!」といった言い方で「独自のユニークな商品サービスで勝負する会社づくり」をご支援していますが、本当に意図するところは、社員の方が「この会社に入ってよかった!」と心から思えるような会社を増やしたいということです。それが本当の意味での働き方改革だと思って活動しています。

御社の幹部は若者たちを熱くしていますか?
 骨抜きの人材を育てる組織になってしまっていませんか?

社長以下、皆が同じゴールを目指して頑張っていける会社づくりを、当社はこれからも応援していきます!